浮気の証拠について考えて見ましょう。 もしあなたが夫の浮気の証拠を1つでも掴むことができたと仮定します。

さらに、その証拠がかなり確実な証拠であったとしましょう。浮気相手と一緒にホテルに入るところを撮影した写真や、偶然録音できた不倫相手からの電話メッセージから、少なくとも1回は確実に浮気をしていることがわかったとします。

その浮気が長らく続いていたものであるとすれば、さらに今後の夫婦関係について考えなければなりません。

ただし、その証拠からわかるのは「1回だけの浮気」だとします。 この場合、あなたにとって有利な条件で離婚することはできるでしょうか?実は、1回の浮気を証明できる証拠をもって裁判を行ったとしても、「離婚の原因としての浮気」にすることはできない可能性が高くなります。

◆浮気の証拠があり・・・
長期に渡り、何度も不貞行為があったと言える証拠である。

婚姻関係を破綻させる原因となった「不貞行為」と判断される。

あなたに有利な形で離婚できる(高額な慰謝料も請求できる)。

◆浮気の証拠があるが・・・
数回の浮気とも考えられるが、「1回きり」とも考えられる証拠である。(あるいは、数回の浮気があったとわかりにくい証拠である。)

婚姻関係を破綻させる原因となった「不貞行為」とは判断されない/されにくい。

離婚はできるかもしれないが、「不貞行為」が原因ではないため高額な慰謝料は請求できない。

なぜ「1回きりの浮気」とも考えられる証拠では離婚の原因として認められないのでしょうか?詳しく考えてみましょう。

離婚の原因となる「浮気」

【どんな人に探偵の浮気調査が必要?】でもご説明したように、不貞行為があったことをきちんと証明できなければ、浮気を原因に離婚することはできません。浮気以外の原因となれば、パートナーに請求できる慰謝料の金額が減ったり、あなたに有利な形での離婚ができなくなる可能性もあります。また、パートナーの浮気相手に慰謝料を請求することもできません。

ただし、どんな浮気でも離婚の原因になるのかといえば、そうではありません。あくまでも「婚姻関係を破綻させる原因となった」ことが証明されなければならないため、パートナーが「1度きりの浮気だ」といい逃げできる程度の証拠しかなかったり、実際に1度きりの不貞行為である場合には、なかなか「婚姻関係を破綻させる原因」として裁判で認められにくいといえます。

「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは

では、1度きりの浮気では離婚できないのでしょうか?その浮気があったために、結婚生活がうまくいかなくなり、結果的に離婚する原因となることもあるかもしれません。この場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められ、離婚できる可能性は高くなります。なお、婚姻を継続しがたい重大な事由としては、次のようなケースがあります。これらは法律で細かく規定されているわけではなく、かなり幅広い内容で裁判が行われていると考えて下さい。

  1. 性格の不一致性
  2. 性生活の不一致(性的な異常)
  3. 過度な宗教活動がある
  4. 刑事事件により刑務所に服役している
  5. 暴力・暴言・虐待
  6. 浪費・怠惰
  7. 家事・育児に協力しない
  8. 配偶者の両親・親族との不和

 

自分に有利な形で離婚するには

ここまでご説明したように、裁判では「1回の浮気では婚姻関係が破綻するとは考えにくい」ということが大前提とされています。ケースによって大きく異なるものの、もし浮気の証拠があったとしても、「1回の浮気」とみなされる証拠であれば「不貞行為を原因とした離婚」と認められにくく、請求できる慰謝料は少なくなってしまいます。もし長期にわたる浮気であることが隠されたり、証拠をもって証明できなければ、あなたにとって有利な形で離婚することはできません。そのためにも、パートナーが継続的に浮気をしている証拠が必要になります。外出の記録、買い物の記録など、ご自身で調査できることは可能な限り調査し、小さな証拠を積み重ねるようにしましょう。問いただしたり、浮気を疑っていることがばれてしまえば証拠はどんどん集めにくくなってしまいますので、注意が必要です。探偵に調査を依頼する場合にも、1回だけの浮気を証明できる程度では意味がありません。見積もりや報告書などをよく確認し、探偵への依頼が無駄にならないよう、ご自身でしっかりチェックするようにしましょう。どんなことが証拠となるか?どのような情報を集めたらよいのか?ということはこちらのサイトにもどんどん公開していきますが、探偵事務所や調査会社の無料相談を利用するのもおすすめです。