婚約者の浮気は、まだ結婚していないのだから許されるのでは?とお考えでしょうか。

日本には「婚約」における法的な規定がないのでそのように考える方もいらっしゃると思いますが、正式に婚約したと周りからも認められる状況の場合、婚約中の浮気(不貞行為)は民事裁判に訴えることができる行為となります。つまり、婚約中の浮気は、慰謝料を請求できる・慰謝料を請求されることなのです。

婚約者からも慰謝料を請求できるということに関しては「婚約者が浮気をしているかも?【慰謝料編】」にてご説明致しましたので、この記事では婚約中に浮気をしてしまう方の心理について考えてみたいと思います。 


浮気は誰のせい?

婚約中であっても、他の人に目がいってしまうことはあるかもしれません。まったくないとはいえないことですね。しかし、基本的には婚約者を結婚を前にお互いをしっかり見つめることのできる時期であるはずです。それなのに、「他に好きな人が・・・?」となってしまうのは、結婚相手から心が離れたのではなく、別の何かから逃げたい心理からの「勘違い」である可能性は大きいものです。

そのような勘違いがある原因は、ふたりの関係、ふたりの今の状態、あるいは周囲の人々まで関わることなどさまざまです。ベストな状況ではなかったからこそこのようなことがあったのだと考えてみるいいきっかけになることも多いものです。勘違いからの浮気であったからこそ関係を修復でき、よりよい結婚を迎えることができた人々も大勢います。 

では、どのような勘違いから浮気に発展してしまう可能性があるのでしょうか。ここでは気持ちだけの浮気といったことも含めて考えてみます。


1.結婚準備に対する大きなプレッシャー

結婚はお祝いの式であって事業ではないのに、「成功」と「失敗」という言葉がまとわりつく大きなイベントです。準備するふたりのプレッシャーは大きなものであり、実際に割かなければならない時間や労力は想像以上のものでしょう。

そのため、婚約中、結婚準備中という状況から逃げたい心理が働き、別の人とのつきあいを増やしたり、他の誰かと気軽に遊びたいという心理が働いてしまいます。これは結婚相手そのものがいやになったのではなく、結婚を決めたからこそ発生した焦りや不安がいやになってしまったのです。


2.結婚することに対する不安

「マリッジブルー」とも言われる結婚前の不安です。自分の選択がこれでよいのか?この人で今後うまくやっていけるのか?他にいいひとがいるのではないか?などの不安がいちどきにおしよせてきます。女性だけのものと思われがちですが、男性でも同じような心境になることはあります。

以前、あまり男性のマリッジブルーがあるといわれなかったのは、男性からプロポーズすることが多く、男性のほうがこころを決めて結婚を申し込み、女性が答えに悩むといった構図があったからだと言われています。最近はふたりで話し合って結婚に至ったり、女性からプロポーズすることもありますので、その通りなのかもしれません。

こんなときにもし他の人からアプローチされれば、迷いの気持ちが出てきてしまって当然です。マリッジブルーから逃げたいと思う気持ちが強かったり、あるいは「これが最後の機会だからいいだろう」という気持ちがあれば、浮気に至ることも多いでしょう。


3.ふたりの時間が増えたことによる気持ちのすれ違い

婚約にむけてふたりの時間が増え、それは嬉しいことのはずなのですが、それまであった「適度な距離」が一気になくなります。「こんなはずではなかったのでは?」「会うとかならずけんかしてしまうのはなぜ?」といった気持ちから、他の人のほうがよく見えてしまうこともあります。

ふたりの生活はまだこれから始まるのですから、意見の違いがあって当然です。それなのに、「結婚するのだからうまくやっていかなければ」という焦りもあり、無理をしたり、ぎくしゃくとなったりしてしまうのでしょう。言いたいことが言えているか、お互いに配慮する必要があります。


ひとりと向き合うことの重さ

3つの「勘違い」についてご説明してみました。
もしも「婚約」「結婚準備」ということがなければうまくいっているかもしれないふたりの関係に水を差すのは「ひとりの婚約者と向き合うことの重さ」です。真剣に考えるからこそ、すれ違いやぶつかり合いもあるのです。

解決の仕方はひとそれぞれで一概には言えないのですが、この重さを少しでも軽いものにできるよう工夫してみましょう。いろいろな人に結婚準備の協力をしてもらったり、既に結婚している方々の生活を見せていただく(ご自宅にお邪魔する、一緒に食事をするなど)のもよいですね。「ふたりきり」の殻に閉じこまらないようにしてみてください。

また、おふたりのうちひとりは深刻で、もうひとりは気楽で・・・と、二人の間に温度差があることもよくあります。婚約したからと安心せず、お互いの気持ちをしっかりと話し合うようにしましょう。婚約中のトラブルをうまく乗り越えることができれば、結婚生活も同じようにうまくいくのではないかと思います。