私の探偵社にやってこられる男性のお客様の中には、「自分の子供が本当に自分の子供であるか不安だ」という相談を持ってくる方も多くいらっしゃいます。今回はそのようなケースについてお話したいと思います。当然のことですが、これは男性である夫、特有の悩みです。女性の場合、自分の子の父親がわからないということはありますが、間違いなく自分の子供ではあるわけです。これにより離婚後の事情も変わってきます。
夫婦の間に子供がいるとなると、夫婦の離婚だけで済まされない話であり、子供の精神状態を考えてもデリケートに扱わなけばならない問題です。もしその子供が浮気相手の子供だったとしても、自分の子としてこれまで育てられているのであれば、さらに慎重に考えていかなければなりません。
では、もし自分の子供が浮気相手の子供かもしれないという疑いを持ったとき、それを証明する方法や検査について、どう考え行動するべきか、一緒に考えていきましょう。
検査しないほうが平和?
もうすでに一緒に生活しているのだから、本当のことがわからないままでもいいのではないか。
誰もが悩むところです。これもひとつの方法だと思います。しかし、多くの方はそうできないからこそ私に相談しに来るのです。
私は今後のトラブルを回避するためにも、確認できる方法で確認したほうがよい、とアドバイスしています。いきなり血液検査やDNA検査を持ちかけることはありません。後ほどご説明しますが、その前にできることをまず試してみたほうがよいです。
それ以前に、子供が自分の子供ではないかも・・・と疑惑を持ったまま、この先何十年も過ごすことを考えてみてください。もし自分の血を分けた子供ではないとわかっても、一緒に過ごす覚悟ができるのとそうでないのとではまったく違います。また、奥様と離婚することになり、親権を奥様が持った場合、そのままでは自分の子供ではないのに養育費を支払わなければならないかもしれないのです。
円満で前向きな離婚であればまだしも、そうでなかった場合、あなたは支払う気になるでしょうか?
※結婚後にできた子供は「嫡出推定」といい、民法上、その夫婦の実子であると考えられます。「自分の子でないとわかる」ことが、「養育費を支払う義務がなくなる」ということに直結するわけではありませんが、「嫡出推定」を否定するために必要な事項となります。
検査をして、結果がわかったあとにどうするのか
検査をする前に考えなければならないことがあります。
検査をして、もし自分の子供ではないと分かった時にどうするかということです。実際わかってみなければわからないということもありますが、それでもまったく考えずに飛び込むより冷静に対応することができるはずです。完全にどうするかを決定するまで考える必要はありませんが、「どこに自分の判断が必要になるか」はピックアップしておいたほうがよいでしょう。
もし子供に兄弟がいれば、兄弟への対応も考えなければなりません。離婚するのか、妻の子であることはかわらないのだから育てるか。もし相手の男性に心当たりがあるのであれば、その男性に対してどう対応するか。考えるべきことは、結果が判明した後のほうがずっと多いのです。確認すべきこと、自分が決めるべきことを整理し、少しでも準備をしておきましょう。
もし妊娠何か月かがわかれば
「検査」ではありませんが、ひとつ具体的な方法をご説明します。
子供の誕生日、あるいはまだ生まれていない胎児である場合にも妊娠何か月かがわかれば、だいたいどれくらいのときに妊娠した(=不貞行為に及んだか)ということを計算で導き出すことができます。お子様が何歳何か月かを確認し、計算してみてください。また、妊娠中の場合には、正確に何か月であるかを確認するようにしましょう。
妊娠したタイミングを知るためには、次のような情報を揃えなければなりません。
- (すでに誕生している場合)誕生日
- (すでに誕生している場合)妊娠何か月で生まれたのか。
- (現在妊娠中である場合)現在妊娠何か月か。
「妊娠何か月」がわかったら、その分逆算すればいいのですが、妊娠の月・週の数え方は少し特殊です。1か月はぴったり4週間で計算されますし、妊娠1週、2週はまだ妊娠しておらず、妊娠3週目からが本当の受精後・妊娠期間になります。
例:
妊娠3か月(満12週)
・・・受精のタイミングは10週間前と予想される
妊娠9か月(満36週)で誕生した満3歳の子供
・・・受精のタイミングは誕生日(3年前)から34週間前と予想される
妊娠何か月か、何週であるのかは母子手帳を見るとわかりますが、母子手帳には妊婦の体重なども書いてあり、見せてもらえないかもしれません。気軽に「今って妊娠何週目なの」と聞いてみてください。
受精のタイミングがわかったら、少しでもその日がどんな日であったのかを調べてみましょう。妊娠日の計算には多少の誤差もありますので、前後1週間程度の予定も調べます。仕事で出張にでていなかったか?妻は実家に帰ると言っていなかったか?などの情報を探してみてください。
数年前もこととなるとなかなか難しいのですが、仕事の記録、スケジュール帳、携帯やパソコンに入力してあるスケジュール、ブログやSNS(Facebookやmixiなど)を駆使してさかのぼってみてください。
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次の記事では、具体的な検査に触れていきたいと思います。
浮気相手の子供かもしれない・2は「血液検査」についてご説明します。