探偵道具といえば虫眼鏡・・・。
・・・というのはドラマや映画の話で、実際の探偵道具はわたしたちにとってもっと身近なところにあります。

今回は私たち探偵が使う探偵道具についてご紹介します。



1.携帯電話
トランシーバーなどで通信をしている画が浮かぶかもしれませんが、実用性はかなり低く、やはり携帯電話は必需品となります。探偵といえども「どんな場所にも詳しい」わけではないので、調査が必要な場所についての下調べは入念に行うものの、携帯の地図やGPS機能は欠かせません。


2.デジカメ・ビデオカメラ
画像・動画は証拠として非常に有力なものであるため、デジカメやビデオカメラは欠かせません。撮影されている人物が誰であるか、その場所がどこかということがきちんとわかるよう、画質もある程度よいものが求められます。また、夜間の撮影に強いものが好ましいです。


3.ボイスレコーダー
探偵といえばターゲットの会話を盗聴するような仕事もありそうですが、盗聴は違法性が高く、探偵が行うことはありません。それでもボイスレコーダーを使用するのは、自分自身のメモとして状況を録音したり、探偵自身が関係者との会話を録音しておく必要がある場合に使用するものです。

ノートやパソコンに打ち込む場合、どうしても目で見ることがおろそかになってしまいます。目で見て確実にチェックしつつ記録を残すためにボイスレコーダーを用いるのです。携帯のボイスレコーダー機能を使う場合もあります。


4.単眼鏡

双眼鏡より、片手にすっぽりとおさまるような小型の単眼鏡を使用します。距離を置いてターゲットを確認する場合があるとき、店舗の名前を確認するときなどに使用します。周りに人がいないような場所では双眼鏡でもいいのかもしれませんが、実際は人ごみの中にまぎれるようにして調査することが多く、探偵道具としては単眼鏡のほうが便利です。


5.小型ライト
夜間の調査に使用します。足元を照らすよりは、手元を照らすために使います。調査で見つけた建物や場所について、メモや写真と照らし合わせたりするときなどです。地図を持ち歩くときも便利です。あまり大型ですと怪しまれてしまうので、あくまでも最小限の明るさのものを選びます。探偵道具は「持ち歩きやすさ」もポイントとなります。


6.天候や場所に合わせた服・小物
大げさに「変装道具」と言ってもいいのですが、実際に探偵道具として使うのは次のようなものです。

【傘】(雨傘・探偵が女性であれば日傘も) 
・・・天候に合わせて使います。雨が強く降る日に傘も立っていれば目立ちますし、怪しまれてしまいます。意外に重要です。

【帽子】
・・・こちらの顔も隠せますが、目線も隠すことができるので便利です。サングラスを使うこともありますが、傘と同じであくまでも「使っていて不自然でないとき」に利用するようにします。ただ、最近はファッションで使うこともあるので、比較的いつでも使えます。

【買い物バッグ】
・・・近所のスーパー、デパートの袋を持っているだけで「買い物客」とみなされるため、調査しやすくなります。


実は道具に頼らない職業
探偵道具というと、フィクションの世界が印象強く、特殊なものを使っているように思われるかもしれません。でも実際には違います。

もちろん、中には盗聴の電波などを探るときに特別な機械を使う人もいるかもしれませんが、基本的には「どのあたりに隠しやすいか」ということを推理して見つけ出します。不自然な家具の配置や壁紙の貼り方なども注意深くチェックするのです。

その他の調査においても、道具よりは経験や推測力に頼ることが多いのです。テレビの探偵特集の多くは「演出」、あるいは「ごく一部の探偵」のやることだとお考えください。本当にその人独特の技や道具であれば、むしろテレビなどで公開することはありません。

テレビやドラマでよく見るところのひとつとして、「尾行」があります。この際も、「隠れる」よりは「紛れる」ことが大切ですので、電柱の影に隠れるようなこともありません。電柱の影や茂みに隠れている人がいたら、ひどく怪しくありませんか?怪しまれた時点で失敗なのです。

ですから、人通りに合わせ、歩く人々と同じ歩調で歩きます。そのほうがよっぽど気付かれにくいのです。服装も同じで、あくまでも「その場所その場所で動きやすい格好」にします。そのため、特別な格好は必要なく、ちょっとした小物ひとつで済むことが多いのです。


いかがでしょうか?探偵道具について知っていただくことで、調査が地道なものであり、細かな気付きやチェックを大切にするものだということが、少しでもわかっていただけたらと思います。