「浮気相手の子供かもしれない・1~検査についての考え方~」の続編です。
夫の立場である方が、自分の子供に対して「浮気相手の子供なのでは?」という疑惑を持った場合の対応についてご説明しています。


1においては、不貞行為があったかもしれない時期を推定し、自分の子供かどうかを確認してみるといった方法をご紹介しました。しかし、やはり過去の記憶となると非常にあいまいになりますし、ご自身のことであっても時間をさかのぼって思い出すのは難しいものです。

また、もしも時期がはっきりしたとしても、妻と浮気相手が二人があっていたという証拠がなければ、自分の子ではないということを認めさせるのも難しくなります。この記事では「証拠」に触れる部分である血液型と血液検査について考えたいと思います。


血のつながりをはっきりさせる血液型
次の表は、親の血液型と、それにより生まれる子供の血液型をまとめたものです。

◎=80%以上
(ただし、O型×O型についてはほぼ100%と言われています。遺伝子の関係で、稀にAB型が生まれる場合もあります。)
〇=50%以上
△=50%以下
ごく稀にありうる=ほとんど可能性はないが、遺伝子の関係で、まったくないとは言えない。
可能性がない=現代の医学において可能性がないと言い切ることができる



血液型は、親子の血のつながりをはっきりさせる手段の一つです。

小学校で血液の遺伝を習い、自分の親が本当の親でないことを知ってしまった・・・という話を時々聞きます。ドラマの中のことのようですが、実際にあることで、これを機に本当のことを話さざるを得ない状況になるご家族もあります。もちろん、事情は浮気だけではありません。子供のできない夫婦に養子として引き取られるなど、複雑な事情もあります。しかし・・・

「浮気相手と自分とが同じ血液型でなら、血液型からはまったく浮気の可能性を探れないのではないか?」

その通りです。
ですが、考えてみてください。「子供の本当の血液型」をあなたはどのようにして知りましたか?
大変残念なことではありますが、母であればこそそこから嘘をつくことも可能なのです。実は、現在多くの産婦人科が生まれたばかりの赤ちゃんの血液検査を実施していないのです。(検査する産院もあります。)

理由は、次の2点であると考えられています。
  1. 医学的に必要がないということ(輸血等の必要がなければ、子供の血液型によって変わる対応はありません)。
  2. 生まれたばかりの赤ちゃんの血液型が安定しておらず、正しい結果が得られないこと。
必要もなく、実施しても誤った結果が出るかもしれず、もし知りたければ1年後をおすすめされるそうです。万が一輸血などが必要になる場合には、必ずその直前に血液型の検査が行われます。そういった意味でも、出生直後の血液型検査は重要視されていない、だから実施されていないことが多いのです。

血液型については戸籍のような法的な書類もありません。妻が言ったままの血液型は、もしかしたら妻が夫であるあなたとの血液型を計算上掛け合わせただけのものかもしれないのです。


子供の血液検査はどこで?

子供の血液検査は、内科・小児科といった病院で簡単に実施することができます(ただし、保険適用外ですので自費となります)。ですが、やはり子供の心の面を考えてみても、いきなり血液検査では驚くことでしょう。ただでさえ大人の事情に付き合わされているのだということを忘れず、無理強いをさせるようなことは避けていただければと思います。

血液を採取せずに血液型を調べる方法もあります。「血液型検査キッド」などのキーワードで検索していただければ、唾液で血液型を判定することができる検査キッドを見つけることができますので、説明を十分に読んだ上で購入してみましょう。学校での教材などにも使われるもので、病院に行く必要もなくご自宅で検査することが可能です。


気を付けるべきこと
これは私の探偵事務所のお客様ではなく、知り合いの事務所でのお話ですが・・・。

生まれた子供の血液型が親の血液型と違う、と、あわてていらっしゃった男性の方がいたそうです。その産婦人科は出生後すぐに血液型検査をする産院でした。自分はO型であり、奥様はB型。なのにお子様はA型でした。上の表を見ていただければわかるように、O型とB型では、O型とB型の子供が生まれます。それ以外では「まれ」であっても有りえません。

生まれたばかりの子供だから安定しないのでは?という説明も一応したそうですが、O型とB型では、やはり間違っていたとしてもO型かB型、どちらかの確率が高いはずなのです。親の血液型要因抜きで全然違う型が出ることは、ちょっと考えられません。

しかし、友人には思い当たる節がありました。それで、このように聞いてみたそうです。
「Mさん(相談者)、あなたご自身は本当にO型ですか?」と。

この言葉により、Mさん自身も検査をしてみたところ、MさんはA型でした。28年間もO型だと思い込んでいたそうで、一番驚いていたのはご本人だったそうです。Mさんは自営業で、会社を通じての健康診断などもなかったようなのです。28歳と比較的お若いこともあり、病院にお世話になることもほとんどなかったのだということでした。友人曰く、「性格的にもO型に見えない」と思ったそうですが(そのあたりは個人差の世界ですので、もちろんMさんには言っていません)。

このエピソードのように、血液型による判定には、子供の血液型だけでなく、両親の正確な血液型も必要だということを忘れないでくださいね。


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さて、もしも浮気相手とあなたの血液型が同じか、あるいは、血液型は違っても子供の血液型が「確率的に有りうる」ものであった場合、血液検査による判定は難しくなります。そこで、次の記事では、さらに自分の子供かどうかを判定できる可能性の高い検査についてご説明します。


「浮気相手の子供かもしれない・3~DNA検査」(後日公開)